iDeCoに加入する前に知っておきたい5つのこと

日本の公的年金制度に対する不安が増大する中、個人型確定拠出年金=iDeCoへの関心、期待が高まっています。2019年には、iDeCoへの加入者数が125万人を突破したのは、関心の高さ、期待の大きさの現れです。

 

銀行など金融機関の窓口には、iDeCoをすすめるパンフレットが置いてあります。勧誘の電話がかかってきたりもします。お昼休みに、iDeCoに加入したという先輩や同僚の話も聞こえてきます。

 

みんな総じて、iDeCoのメリットばかり強調します。たしかに、iDeCoには、大きな3つの税制上の優遇措置があり、それがメリットとなっています。そのメリットを無視する必要はありませんし、大いに享受すべきです。

 

しかし、メリットがある反面、デメリットや注意すべき点があるのも事実です。入ってから「そんなはずじゃなかった」と後悔しないために、ここでは、iDeCoに入る前に知っておきたい5つのポイントについてご説明します。

 

 

【ポイント1】 iDeCoの掛け金には上限がある!

iDeCoの大きなメリットの一つが、毎月の掛け金が全額所得控除される点でした。通常、iDeCoは、長期にわたって運用するわけですから、このメリットを最大限活用するのは、とても大切です。

 

だからといって、いくらでも掛け金をかけることはできません。この掛け金には、職業などいろいろな条件によって上限が具体的に規定されています。

 

① 自営業者・フリーランス、学生など:月額68,000円(年額:816,000円)

② 会社員・公務員(会社に企業年金がない):月額23,000円(年額:276,000円)

会社員・公務員(企業型DCに加入している):月額:20,000円(年額:240,000円)

会社員・公務員(DBと企業型DCに加入):月額:12,000円(年額:144,000円)

③専業主婦(夫):月額23,000円(年額276,000円)

 

※ DC:確定拠出年金、DB:確定給付企業年金、厚生年金基金

 

 

 

 

【ポイント2】 60歳まで引き出せない!

iDeCoは、原則として、掛け金を60歳になるまで引き出すことはできません。いろんなライフステージで、急なお金の入用などがあっても現金化できません。ただし、掛け金を一時ストップすることはできます。

 

また、遅くにiDeCoに加入した場合、加入期間によっては、60歳になっても引き出せないことがあります。通常加入者等期間に応じた受給年齢は、下記の通りです。

 

  •  10年以上    :60歳
  •  8年以上10年未満:61歳
  •  6年以上8年未満:62歳
  •  4年以上6年未満:63歳
  •  2年以上4年未満:64歳
  •  1年以上2年未満:65歳

 

※ 通算加入者等期間とは、毎月掛け金を拠出していた期間と、拠出をやめ、運用だけを行っていた期間の合算した期間のことです。

 

 

【ポイント3】 状況の変化によって、元本割れのリスクも!

iDeCoの商品には、定期預金、保険、投資信託があります。投資信託などのリスクのある金融商品で運用する場合、他の投資と同様、リスクがあることは承知しておきましょう。リスクとリターンのバランスを考えたポートフォリオを設計することが大切です。

 

もちろん、リスクを回避するためには、定期預金や保険で運用するという手もありますが、その場合は、iDeCoの運用益が非課税となるメリットは享受できません。

 

運用益を出すためには、リスクを抑えつつ、リターンをとれるような賢い選択が必要です。

 

 

 

 

 

 

【ポイント4】 iDeCo専用口座管理手数料が必要!

「iDeCo」では、銀行や証券会社等で「iDeCo」を始める際に、「iDeCo」専用口座を開設する必要があります。開設手数料は、どの銀行であっても、証券会社であっても差がなく、一律2829円です。

 

「iDeCo」口座を維持するためにかかる維持手数料は、金融機関によって金額に差があります。一番安いところで、月171円、高いところで月629円になります。1ヶ月で458円も差があります。どの金融機関を選ぶかはとても大切です。

 

さらに、途中で加入している金融機関を変更する場合にも、移管費用などが掛かります。メリットばかりが強調されますが、iDeCoを維持するためには、ランニングコストがかかることも承知しておきましょう。

 

【ポイント5】 受取り時に、退職所得控除の上限を超えることもある!

iDeCoを60歳になって年金資産を一時金として受け取る場合、退職所得控除が適用され、税額軽減効果が期待できます。

 

会社からの退職金とiDeCoの一時金を同時に受け取る場合、合算した金額に退職所得控除が適用されます。勤続年数、あるいは加入期間を基に算出した退職所得控除が適用されます。退職金の額が多い場合、退職所得控除の上限を超えてしまう場合もあります。その場合は、退職所得控除は適用されません。

 

 

まとめ

 

iDeCoのメリットばかりが取りざたされて、リスクや注意点がなおざりにされがちです。しかし、他の金融商品の場合と同じように、メリットがあれば当然、デメリットもあります。

 

加入した後で、「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、注意すべき5つのポイントをご説明しました。

 

5つの注意点をしっかり確認して、理解しているなら、そんなに忌避すべき点ではありません。それらの注意点をしっかり押さえたうえで、メリットを享受するのが一番賢い方法です。