年末調整をすれば、税金が返ってくるか?

 

iDeCoは、老後資金形成のための、自助努力の私的年金制度です。それを後押しするため、大きな税制上のメリットがあります。

 

月々の掛け金が全額所得控除される、運用益が非課税、受取り時の所得控除が大きなメリットです。このため、iDeCoは、老後の資金形成をしつつ、節税効果もあり、だんだん人気が出てきています。

 

ここでは、iDeCo利用者の年末調整の方法と、どのぐらいの節税効果があるかについて、ご説明させていただきます。

 

 

所得税は、どのように計算されているのか?

節税効果があると言われるiDeCoですが、そもそも所得税とはどのように計算されているのでしょうか?まず、それを確認しておきましょう。

 

単純に言えば、給与収入に所得税率をかけて計算します。しかし、実際には、給与収入から、さまざまな控除を引きます。例えば、給与所得控除、基礎控除、社会保険料控除、配偶者控除、生命保険料控除など、いろいろな条件によって控除されるものや金額が変化します。

 

例えば、400万円の独身会社員の場合を考えますと、

給与収入から給与所得控除、所得控除(基礎控除+社会保険料控除)を引きます。

400万円-138万円-(38万円+61万円)=163万円

 

この163万円に所得税率5%をかけ81,500円が所得税額となります。(生命保険料控除等は、考慮に入れていません)

 

 

年末調整はなぜ必要か?

所得税の計算方法は、ご理解いただけたでしょうか?給与所得者の場合、実際の納税手続きをするのは、会社員ではなく、会社です。

 

 

給与所得者の場合、毎月、所得税が給料から天引きされています。しかし、実際の所得税は、その年1年間(1/1~12/31)の収入が確定するまで正しくは計算できません。

 

会社は、毎月支払われる給与の金額に応じて、所得税を源泉徴収という形で天引きしています。つまり、1年間の収入はこれぐらいだろうとみなして、税金が天引きされています。

 

年末になって、実際に支給した給与金額から計算される所得税額と、それまで源泉徴収してきた所得税額の合計額は必ずしも一致するわけではありません。

 

そのため、扶養家族の人数の変化、生命保険への加入状況など所得控除に影響する事情を反映させるために、年末調整という手続きを行い、実際の所得税額を計算しなおします。

 

多く徴収していれば還付、少なく徴収していれば追加徴収という形になります。これが、毎年末にいろいろな書類を提出して行う年末調整になります。

 

 

iDeCo利用者のための年末調整の方法

何度もご説明してきましたように、iDeCoを利用している人には、月々の掛け金が全額所得控除されるという税制上のメリットがありました。これは、所得税の計算上は、「小規模企業共済等掛金控除」という所得控除に該当します。

 

他の所得控除と同じように、給与収入から掛け金の年額を引きます。

 

先ほどの年収400万円の独身会社員の例で見てみましょう。その人が、iDeCoに、毎月20,000円(年間240,000円)の掛け金をかけていた場合を考えてみましょう。

 

年末調整の際に、「小規模企業共済等掛金払込証明書」を会社に提出することによって、小規模企業共済等掛金控除として240,000円分課税所得が減少します。そのことによって、課税所得は、1,390,000円となります。

 

この課税所得に所得税率5%を書けると所得税額は69,500円となり、iDeCoを利用していなかった時の所得税額81,500円より12,000円所得税額が安くなったことがわかります。

 

また、所得税は累進課税ですから、所得金額が大きければ大きいほど、節税効果はアップします。

 

iDeCoによる節税効果は?

前項で計算した所得税額は、iDeCoを利用した場合、利用しなかった時に比べて12,000円節税になりました。

 

ここまでは、所得税についてだけ見てきましたが、住民税についても、課税所得が減るわけですから、当然、住民税額もダウンします。

 

住民税額は、iDeCoを利用していない場合は、ざっくり163,000円、iDeCoを利用している場合は、139,000円と24,000円住民税額が減ります。

 

さきほどの所得税額の減額12,000円+住民税額の減額24,000円のトータル36,000円の節税効果があることがわかりました。

 

毎月20,000円の掛け金で年間240,000円分の老後の資産形成を行うことによって、所得税、住民税合わせて36,000円もの節税ができました。

 

老後に向けた資産形成をする場合、iDeCoのような税制優遇のある制度から利用されることをおすすめします。

 

iDeCoの利用を検討されている方は、今回の節税効果を参考にしていただき、ぜひ検討されることをおすすめします。

 

老後資金形成ができ、節税までできるiDeCoを利用しない手はないと言えるでしょう。

 

 

まとめ

 

「iDeCo恐るべし!」という結果でしたね。年間あれだけの節税をするのは、意外に難しいものです。もちろん、給与が増え、扶養家族がいる家庭なら、金額も変わってきます。

いろいろな老後のための資産形成の方法が喧伝されていますが、これだけの税制メリットがあるiDeCoは、選択肢の一つとして考えていいと思います。ぜひ、制度を有効にご活用くださいね。