住宅ローン控除を併用するコツ

iDeCoは、大きな税制優遇を受け、老後のための資産形成を行うための私的年金制度です。将来の日本の年金制度に対する不安や、「年金以外に2000万円必要」という金融庁の報告で、公的年金以外に私的年金を準備しようという方は、どんどん増えています。まして、税制上のメリットがあるわけですから、利用しない手はありません。

 

一方、住宅ローン控除は、住宅ローンを利用して住宅を取得した人の金利負担を軽減するための制度です。

 

どちらも賢く利用し、節税や、資産形成を図りたいものです。ただ、両方を併用する場合に起こりうる影響もあります。

 

ここでは、両方を併用する際に気をつけるべきポイントについてまとめました。

 

iDeCoの税制上のメリット

当サイトでは、iDeCoの税制上のメリットについては、あらゆる箇所で、しつこく(!?)書いてきましたが、ここで、もう一度、軽くおさらいしておきましょう。

 

iDeCoの税制優遇と住宅ローン控除との違いを理解することによって、両者を上手に併用することができるのかについて考えましょう。

 

iDeCoには、大きな3つの税制上のメリットがありました。月々の掛け金が全額所得控除になること、運用益が非課税になること、受取り時にも所得控除があることです。

 

iDeCoとは、これらの優遇を大いに享受しながら、掛け金や運用先などを自分で決め、自ら運用していくものです。

 

もともと課税所得のない国民年金第3号被保険者は、所得がないわけですから、iDeCoの掛け金が全額所得控除されるというメリットがなく、節税効果はありませんが、iDeCoの掛け金の限度額と所得控除による節税効果については、課税所得金額に応じて変わります。

 

 

 

 

 

住宅ローン控除のメリット

iDeCoが、所得から掛け金分を控除されるのに対して、住宅ローン控除の場合は、税額控除になります。

 

もう少し詳しく説明すると、住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用して住宅を取得した方の金利負担の軽減を図るための制度です。

 

つまり、住宅ローン控除の適用を受けると、年末の住宅ローン残高と住宅取得対価のいずれかの少ない金額(最大4000万円、長期優良住宅等の場合は、最大5000万円)の1%相当額が、最長10年間、所得税から控除されます。

 

ただし、居住開始時期が2014年4月~2021年12月のうち、消費税10%が適用される住宅を取得し、入居期間が2019年10月~2020年12月となる場合は、控除期間が13年に延長されます。

 

所得税から控除しきれない場合は、一定額までは翌年度の住民税からも控除できるようになっています。

 

iDeCoと住宅ローン控除の併用は可能か?

iDeCoと住宅ローン控除の両方を併用することは、可能です。しかし、併用によって、節税効果が薄れてしまうことがあります。

 

つまり、iDeCoの所得控除によって所得税(住民税)が減って、住宅ローン控除を引き切れなくなる場合も出てくることがあります。

 

住宅ローン控除を引き切れないと、「せっかくの控除なのにもったいない!」「なんとか控除を使いきれるようにできないか?」と考えてしまいがちですが、住宅ローン控除をすべて使いきることを目的にすべきではありません。それを目的にするなら、本末転倒といえます。

 

控除を使いきれず、たとえ余ったとしても、損をするわけではありません。そのことにのみ注目するのは間違っています。

 

 

iDeCoと住宅ローン控除を併用することの影響

iDeCoによる所得控除によって、住宅ローン控除が引き切れなくなる場合があります。どんな場合か、順番に見ていきましょう。

 

 

  •  課税所得(課税額)少ない場合

 

控除前の課税所得や課税額が少ない場合、控除しきれなくなる可能性は大です。収入が少ない場合に加えて、他の控除(配偶者控除、扶養控除、医療費控除、生命保険料控除等)が多い方も該当します。

 

 

  •  住宅ローンの借入額が多い場合

 

ローン借入額が多ければ、当然控除額が増え、控除分すべてを引き切れない可能性が増えます。

 

 

  •  iDeCoの月々の掛け金が多い場合

 

iDeCoの掛け金は全額所得控除されるため、控除額が多ければ、控除しきれなくなるケースも増えます。特に、拠出限度額が大きい自営業者などの場合は要注意です。

 

  •  ふるさと納税している場合

 

ふるさと納税も、住宅ローン控除と同様、税額控除(寄付金控除)となりますから、控除できる税金が減れば、ふるさと納税のメリットが少なくなります。

 

以上のように、いろいろな控除があり、それらを上手に活用して、節税することはとても大切なことですが、これもあれもと活用すれば、節税効果が薄れる場合もあるので、注意が必要です。

 

いずれにせよ、住宅ローン控除のすべてを使い切る必要はありません。逆に、iDeCoは、掛け金の所得控除以外にも税制優遇があるので、上手にバランスよく使い分けることが大切です。

 

 

 

 

まとめ

 

所得控除、税控除など、節税に効果があるということで、あれもこれも適用しようとする人がいますが、控除を使い残しても損にはならないということをまず肝に銘じておきましょう。

 

そのうえで、両者を上手に使い分けることが大切です。